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2026/02/27 歯周病

歯周病で抜歯を勧められたら|判断前に確認したい6つのポイント

歯周病で抜歯を勧められたら|判断前に確認したい6つのポイント

歯周病で抜歯と言われたら、まず知っておきたいこと

「歯周病が進んでいるので、抜歯しましょう」

そう言われたとき、多くの方が戸惑いと不安を感じます。

歯周病は日本人の成人の約8割が罹患していると言われる国民病です。進行すると歯を支える骨が溶け、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。しかし、「抜歯」と診断されても、すぐに諦める必要はありません。

実は、歯科医師によって抜歯の判断基準は異なります。一般歯科医と歯周病専門医では、「十分な治療」「残せる可能性」の考え方に違いがあるのです。

当院では、できる限り歯を残すことを基本方針としています。

この記事では、歯周病で抜歯を勧められた際に確認すべき6つのポイントを、院長の視点から丁寧に解説します。

ポイント1|歯周ポケットの深さと骨の吸収度を正確に把握する

抜歯の判断で最も重要なのが、**歯周ポケットの深さ**と**歯槽骨の吸収度**です。

歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの間にできる溝のこと。健康な状態では1〜3mm程度ですが、歯周病が進行すると4mm以上に深くなります。6mm以上になると重度歯周病と判断されることが多いです。

また、レントゲン撮影によって歯を支える骨(歯槽骨)の状態を確認することも不可欠です。骨の吸収が歯根の長さの3分の2以上に達している場合、一般的には抜歯を検討する基準とされています。

しかし、骨の吸収が進んでいても、残せる可能性はあります。

精密検査で現状を数値化する

当院では、感覚的な診断ではなく、数値と画像に基づいて進行度を把握します。

具体的には、以下の項目を詳しく検査します。

  • 歯周ポケットの深さ(全ての歯の複数箇所を測定)
  • 出血の有無(炎症の活動性を確認)
  • 歯の動揺度(グラグラの程度)
  • レントゲンによる骨の状態(吸収の範囲と深さ)

これらのデータを総合的に評価し、科学的根拠のある治療計画を立案します。検査結果は分かりやすく説明し、不安や疑問を解消したうえで治療を進めています。

骨の吸収が進んでいても諦めない

骨の吸収が歯根の3分の2を超えていても、必ずしも抜歯が必要とは限りません。

歯周組織再生療法という治療法があります。エムドゲインやGTR法といった再生材料を使用することで、失われた骨を再生させることが可能です。他院で抜歯と診断された歯も、この治療によって残せる場合があります。

ただし、再生療法が適用できるかどうかは、骨欠損の形態や患者さまの全身状態によって異なります。まずは精密検査を受け、現状を正確に把握することが大切です。

ポイント2|歯の動揺度と咬み合わせへの影響を評価する

 

歯がグラグラと揺れている状態は、抜歯を検討する重要な基準の一つです。

歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けて歯の支えが失われます。その結果、歯が揺れるようになり、最終的には自然に抜け落ちることもあります。

しかし、揺れているからといって、すぐに抜歯が必要とは限りません。

動揺度の分類と対応

歯の動揺度は、一般的に以下のように分類されます。

  • **1度**:わずかに揺れる(0.2〜1.0mm程度)
  • **2度**:明らかに揺れる(1.0〜2.0mm程度)
  • **3度**:大きく揺れる(2.0mm以上、上下にも動く)

動揺度が2度以上の場合、抜歯を検討する基準とされることが多いです。特に、対症療法を行っても過度の動揺により痛くて咬めず、反対側で噛むしかない状態(回避性咀嚼)になっている場合は、抜歯を勧めることがあります。

暫間固定で揺れを止める方法

揺れている歯でも、隣の歯と接着剤で一時的に固定する「暫間固定」という方法があります。

これにより、歯の揺れを止めて咬み合わせを安定させることができます。固定している間に歯周病治療を進め、炎症を抑えることで、歯の保存が可能になる場合もあります。

また、咬み合わせが原因で歯が揺れる「咬合性外傷」という状態もあります。この場合、咬み合わせの調整によって改善が見込めます。

揺れている歯があっても、まずは治療の可能性を探ることが大切です。

ポイント3|炎症の活動性と急性症状の頻度を確認する

歯周病の炎症が活発で、頻繁に急性症状が起こる場合は注意が必要です。

治療中に何度も歯ぐきに膿が溜まり、周りの歯の歯ぐきや骨にまで悪影響を及ぼしている場合、その歯を残すことが他の歯にとってマイナスになることがあります。

急性膿瘍の繰り返しは要注意

歯周病が進行すると、歯ぐきに膿が溜まる「歯周膿瘍」が発生します。

一時的な膿瘍であれば、適切な処置で改善できます。しかし、短期間に何度も繰り返す場合、その歯が広範囲の歯周組織破壊の原因となっている可能性があります。

このような状態では、抜歯を検討せざるを得ないこともあります。なぜなら、感染源を残しておくことで、隣接する健康な歯まで失うリスクが高まるからです。

炎症をコントロールする治療

当院では、炎症の活動性を抑えるために、以下の治療を行います。

  • スケーリング・ルートプレーニング(徹底的な歯石除去)
  • 抗菌療法(必要に応じて抗生物質の使用)
  • 歯周外科治療(深い歯周ポケットへの対応)

これらの治療によって炎症をコントロールできれば、歯を残せる可能性が高まります。ただし、十分な治療を行っても改善が見られない場合は、抜歯を検討することもあります。

大切なのは、炎症の状態を正確に把握し、適切なタイミングで治療を進めることです。

ポイント4|隣接歯への影響と口腔全体のバランスを考慮する

一本の歯だけを見るのではなく、お口全体のバランスを考えることが重要です。

歯周病に罹った歯を無理に残すことで、隣接する健康な歯まで悪影響を受けることがあります。逆に、その歯が奥歯の噛み合わせの高さを維持するために重要な役割を果たしている場合もあります。

隣接歯への感染リスク

歯周病の細菌は、一本の歯だけに留まりません。

進行した歯周病の歯を残しておくことで、隣の歯にも細菌が広がり、健康だった歯まで歯周病になるリスクがあります。特に、動揺が大きく、近接している歯がある場合は注意が必要です。

また、歯周病が進行すると、歯を支える骨が大量に失われます。その状態で抜歯をすると、インプラントやブリッジなどの治療が難しくなることもあります。

咬合高径を維持する役割

一方で、その歯が奥歯の噛み合わせの高さ(咬合高径)を維持している場合、すぐに抜歯するのは得策ではありません。

このような場合、暫間的に保存し、他の歯を仮歯に置き換えて噛み合わせの高さが維持された時点で抜歯をする、という治療計画を立てることがあります。

また、隣接領域にインプラントを埋入する場合、その歯が機能している間はインプラントの上部構造が装着されるまで保存する、という選択肢もあります。

このように、お口全体の治療計画の中で、その歯をどう扱うかを総合的に判断することが大切です。

ポイント5|患者さまの全身状態と治療への意欲を考慮する

抜歯の判断は、歯の状態だけでなく、患者さまの全身状態や治療への意欲も重要な要素です。

年齢、全身疾患の有無、服用しているお薬の内容、生活環境、残っている歯の状態など、考慮すべきことは多くあります。

全身疾患と服用薬の影響

糖尿病や心疾患などの全身疾患がある場合、歯周病の進行が早まることがあります。

また、骨粗鬆症の治療で使用されるビスフォスフォネート製剤を服用している場合、抜歯後に顎骨壊死のリスクがあるため、慎重な判断が必要です。

全身状態によっては、歯周外科治療や再生療法が適用できない場合もあります。そのため、かかりつけの内科医と連携しながら、安全に治療を進めることが大切です。

プラークコントロールと治療への意欲

歯周病治療で最も重要なのは、患者さまご自身が行う毎日の歯みがきです。

どんなに優れた治療を行っても、プラークコントロールができなければ、歯周病は再発します。逆に、患者さまが一生懸命に歯みがきをしてくださり、定期検診にも必ず来ていただける場合、難しい状態の歯でも長期間保存できることがあります。

当院では、患者さまの生活習慣に合わせたブラッシング指導やセルフケアアドバイスを丁寧に行い、長期的な口腔健康の維持をサポートしています。

治療への意欲が高い方ほど、歯を残せる可能性が高まります。

ポイント6|セカンドオピニオンを受ける選択肢を知る

抜歯と診断されても、別の歯科医師の意見を聞くことは大切です。

歯科医師によって、技術レベルや経験、治療方針は異なります。一般歯科医と歯周病専門医では、「十分な治療」「残せる可能性」の考え方に違いがあることも事実です。

一般歯科医と専門医の違い

一般歯科医は、虫歯治療や予防歯科など幅広い診療を行います。

一方、歯周病専門医は、重度歯周病の患者さまの治療に専門的に取り組んでいます。圧倒的に多数の臨床経験を持っているため、歯を残せるかどうかという極めて難しい問題に対して、より正確な判断が可能になります。

また、高度なスケーリング・ルートプレーニング、歯周組織再生療法、歯周外科、歯周補綴など、幅広い治療方法を駆使できるのも専門医の強みです。

セカンドオピニオンを受けるメリット

セカンドオピニオンを受けることで、以下のようなメリットがあります。

  • 別の視点からの診断を得られる
  • 治療の選択肢が広がる可能性がある
  • 納得して治療を進められる
  • 後悔のない選択ができる

当院にも、他院で抜歯を勧められた多くの患者さまがセカンドオピニオンに来院されています。精密な検査と丁寧な説明を行い、残せる可能性があれば全力で歯を残す治療を行います。

「先生に任せて無理なら、諦めがつきます」

よく患者さまからそう言われます。

一度抜いた歯は戻すことができません。だからこそ、納得のいく選択をすることが大切です。

まとめ|後悔しない選択をするために

歯周病で抜歯を勧められたとき、確認すべき6つのポイントをご紹介しました。

  • 歯周ポケットの深さと骨の吸収度を正確に把握する
  • 歯の動揺度と咬み合わせへの影響を評価する
  • 炎症の活動性と急性症状の頻度を確認する
  • 隣接歯への影響と口腔全体のバランスを考慮する
  • 患者さまの全身状態と治療への意欲を考慮する
  • セカンドオピニオンを受ける選択肢を知る

抜歯の判断は、これらの要素を総合的に考慮して行われます。

当院では、できる限り歯を残すことを基本方針としています。しかし、残すことが他の歯や全身の健康にとってマイナスになる場合は、抜歯をお勧めすることもあります。

大切なのは、患者さまと十分にコミュニケーションを取り、納得していただいたうえで治療を進めることです。

いまいずみ歯科での歯周病治療

栃木県佐野市田島町にある当院では、歯周病の早期発見・早期治療に力を入れています。

精密検査で現状を数値化し、科学的根拠のある治療計画を立案します。進行段階に応じて、スケーリング・ルートプレーニング、抗菌療法、歯周外科治療、骨再生療法など、最適な治療を選択します。

治療後も3〜6か月ごとの定期検診を推奨し、専門的なクリーニングと状態チェックを継続します。歯周病は再発しやすい慢性疾患だからこそ、長期的なメンテナンスが重要です。

歯みがきで出血する、歯ぐきが腫れている・下がってきた、口臭が気になる、歯がぐらつく、長期間歯科検診を受けていない……

そんな症状がある方は、ぜひ早めにご相談ください。

歯周病は自覚症状が少ないまま進行する病気です。少しでも気になる症状があれば、早めの受診が歯を守る第一歩となります。

当院は、ショッピングモール敷地内に駐車場を完備し、土曜日も診療対応しています。診療時間は9:30〜13:00、14:30〜19:00です(休診日:水曜・日曜・祝日)。

生涯ご自分の歯で食事をし、笑顔でいられるようサポートしていきたい、それが当院の願いです。

抜歯を勧められて不安を感じている方、セカンドオピニオンをお考えの方、お気軽にご相談ください。

著者情報

いまいずみ歯科 院長

今泉 朋久(いまいずみ ともひさ

 

【経歴】

館林市出身

日本大学松戸歯学部卒業