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2026/02/28 抜歯

抜歯を選ぶ際の6つのケースを徹底解説

抜歯を選ぶ際の6つのケースを徹底解説

「できるだけ歯を残したい」と考えるのは、とても自然なことです。

しかし、すべての歯を無理に残すことが、必ずしも正しい選択とは限りません。むしろ、抜歯を選んだ方が長期的に安定し、お口全体の健康を守れるケースも存在します。

歯科医師として長年診療に携わってきた経験から、「残すべきか、抜くべきか」の判断は、患者さまの将来を見据えた慎重な診断が必要だと感じています。今回は、抜歯を選択すべき具体的な6つのケースについて、詳しく解説していきます。

抜歯を選ぶべき6つのケース

歯科治療において、抜歯という選択は決して簡単なものではありません。

しかし、以下のようなケースでは、歯を残すことによるリスクが、抜歯によるメリットを上回ることがあります。それぞれのケースについて、具体的に見ていきましょう。

1. 歯根破折(歯が縦に割れている状態)

歯根破折は、歯の根が縦方向に割れてしまった状態を指します。

神経を取った歯は、血液供給が途絶えるため、時間とともに脆くなります。特に大きな詰め物や被せ物をしている歯では、噛む力が集中しやすく、破折のリスクが高まります。

歯根破折が起きると、割れ目から細菌が侵入し、周囲の骨を溶かしていきます。痛みや腫れを繰り返すだけでなく、隣の健康な歯にまで悪影響を及ぼす可能性があります。

このような場合、再植や移植といった治療法も存在しますが、すべてのケースで適用できるわけではありません。破折の程度や位置によっては、抜歯を選択することで、周囲の組織を守ることができます。

2. 重度の歯周病

歯周病が進行すると、歯を支える骨が失われていきます。

初期段階では歯茎の腫れや出血程度ですが、重度になると歯がグラグラと動き始め、噛むことが困難になります。この状態まで進行した歯は、治療を行っても元の状態に戻すことは極めて困難です。

重度の歯周病を放置すると、周囲の健康な歯にも細菌感染が広がり、次々と歯を失う原因となります。また、歯周病菌は血流に乗って全身に回り、心疾患や糖尿病などの全身疾患のリスクを高めることも分かっています。

このような場合、早期に抜歯を行い、適切な補綴治療(入れ歯やブリッジ、インプラントなど)に移行することで、残っている歯を守り、お口全体の健康を維持できます。

3. 親知らずによるトラブル

親知らずは、前から数えて8番目に生える永久歯です。

現代人の顎は小さくなる傾向にあり、親知らずが正常に生えるスペースが不足しているケースが多く見られます。横向きや斜めに生えた親知らずは、隣の歯を押したり、歯茎に炎症を起こしたりします。

特に、歯ぐきに完全に埋まっている場合や、横向きに生えている場合は、将来的に歯原性嚢胞という病変を形成するリスクがあります。また、清掃が困難なため、虫歯や歯周病の原因にもなります。

CT検査により、親知らずの位置や神経との距離を正確に把握することで、安全な抜歯計画を立てることができます。繰り返し腫れや痛みが出る場合、早期の抜歯が推奨されます。

4. 治療困難な位置にある虫歯

虫歯が歯茎の下深くまで進行している場合、治療が非常に困難になります。

歯の根の先端近くまで虫歯が達していると、詰め物や被せ物をしても、すぐに再発するリスクが高くなります。何度も治療を繰り返すことは、患者さまの時間的・経済的負担となるだけでなく、歯の寿命をさらに縮めることにもつながります。

また、根管治療を行っても、複雑な根の形態や、器具が届かない部分に感染が残ると、慢性的な炎症が続きます。このような場合、抜歯して新たな補綴治療を選択することで、確実に感染源を除去できます。

5. 矯正治療における抜歯

歯並びや噛み合わせを整える矯正治療では、抜歯が必要になることがあります。

重度の叢生(歯が重なり合っている状態)や、出っ歯(上顎前突)のケースでは、歯が並ぶスペースが不足しています。成人の場合、顎の骨を広げることは困難なため、小臼歯(前から4番目または5番目の歯)を抜歯してスペースを確保します。

抜歯を伴う矯正治療は、歯並びだけでなく、顔貌のバランスも改善できる可能性があります。治療計画は、患者さまの理想とする歯並びや噛み合わせ、全体的なバランスを考慮して慎重に立てられます。

6. 再発リスクが高い歯

何度も治療を繰り返している歯は、再発リスクが非常に高くなります。

根管治療を複数回行っている歯、大きな詰め物や被せ物を何度もやり直している歯は、歯質が薄くなり、破折のリスクが高まります。また、治療のたびに歯を削るため、残っている健康な部分がどんどん少なくなります。

このような歯を無理に残そうとすると、治療費がかさむだけでなく、突然の痛みや腫れに悩まされる可能性が高くなります。長期的な視点で考えると、早めに抜歯して安定した補綴治療に移行する方が、生活の質を保てることがあります。

抜歯を選択する際の重要なポイント

抜歯という選択は、決して軽々しく行われるものではありません。

当院では、患者さまお一人おひとりの状況を丁寧に診査・診断し、抜歯が本当に必要かどうかを慎重に判断しています。

精密な診査・診断の重要性

抜歯の判断には、レントゲン撮影だけでなく、必要に応じてCT検査を実施します。

CT検査により、歯の向きや深さ、特に下顎の神経との距離を正確に確認できます。これにより、抜歯の難易度やリスクを事前に把握し、安全性を高めた治療計画を立てることができます。

また、口腔内全体の状態を確認し、抜歯後の補綴治療の選択肢についても、事前に十分な説明を行います。治療の必要性、方法、費用、リスクについて納得いただいた上で、治療を進めることを大切にしています。

痛みへの配慮

「抜歯は痛い」というイメージをお持ちの方も多いでしょう。

当院では、無痛麻酔法を採用しています。注射の前に表面麻酔を使用し、針を刺すときの痛みを軽減します。麻酔がしっかり効いた状態で処置を行うため、抜歯中の痛みはほとんど感じません。

難しいケースでは、歯ぐきを切開したり、歯を分割したりする必要がありますが、状態に合わせた適切な方法で丁寧に抜歯を行います。できるだけ不安や恐怖心を和らげる環境づくりを心がけています。

衛生管理と感染予防

抜歯は外科処置であるため、衛生管理が極めて重要です。

当院では、治療器具に厳格な滅菌処理を実施し、感染リスクをできる限り抑えた清潔な環境で処置を行っています。使い捨て可能な器具は患者さまごとに新品を使用し、滅菌が必要な器具は高圧蒸気滅菌器で確実に滅菌しています。

抜歯後の感染予防のため、必要に応じて抗生物質を処方し、術後の注意点についても具体的に説明します。

抜歯後のケアとフォロー

抜歯は、処置が終わったら終わりではありません。

適切な術後管理が、スムーズな回復につながります。当院では、抜歯後のフォローも丁寧に行っています。

抜歯後の注意点

抜歯当日は、以下の点に注意していただきます。

  • 食事:麻酔が切れるまで、頬や舌を噛まないよう注意してください。柔らかい食事を選び、抜歯した側では噛まないようにしましょう。
  • 入浴:当日は長時間の入浴や激しい運動を避け、血行が良くなりすぎないようにしてください。
  • 服薬:処方された痛み止めや抗生物質は、指示通りに服用してください。
  • 喫煙:喫煙は傷の治りを遅らせるため、少なくとも数日間は控えることをおすすめします。
  • うがい:強いうがいは血餅(かさぶた)を剥がしてしまうため、優しく口をゆすぐ程度にしてください。

抜糸と治癒確認

歯ぐきを切開した場合は、約1週間後に抜糸を行います。

抜糸の際には、傷の治り具合を確認し、問題がないかチェックします。腫れや痛みが続く場合、感染の兆候がある場合は、追加の処置を行います。

抜歯後の回復には個人差がありますが、多くの場合、1〜2週間で日常生活に支障がない程度まで回復します。

補綴治療への移行

抜歯後、そのままにしておくと、隣の歯が倒れてきたり、噛み合わせが変化したりします。

抜歯した部分をどのように補うかは、患者さまの希望や口腔内の状態によって異なります。入れ歯、ブリッジ、インプラントなど、それぞれにメリット・デメリットがあります。

当院では、患者さまのライフスタイルや予算、治療期間なども考慮し、最適な補綴治療をご提案します。

まとめ

「歯は残すべき」という考え方は、基本的には正しいものです。

しかし、すべての歯を無理に残すことが、必ずしも患者さまの利益になるとは限りません。歯根破折、重度の歯周病、治療困難な虫歯、再発リスクが高い歯など、抜歯を選択した方が長期的に安定するケースも存在します。

当院では、「削らない・抜かない治療」を心がけていますが、それは「決して抜かない」という意味ではありません。患者さまの将来を見据え、お口全体の健康を守るために、時には抜歯という選択が最善の場合もあります。

抜歯が必要かどうかの判断は、精密な診査・診断に基づいて行われます。CT検査や口腔内の詳細な検査により、歯の状態を正確に把握し、治療の必要性、方法、リスクについて丁寧に説明します。

親知らずが気になっている方、繰り返し痛みや腫れが出る歯がある方、治療を何度も繰り返している歯がある方は、一度ご相談ください。

佐野市田島町のいまいずみ歯科では、患者さまお一人おひとりに寄り添った治療を提供しています。

ショッピングモール敷地内に駐車場を完備し、土曜日も19時まで診療しています(水曜・日曜・祝日は休診)。お口のことで気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

地域の皆さまが生涯ご自分の歯で食事をし、笑顔でいられるようサポートしていきたい。それが当院の願いです。

 

著者情報

いまいずみ歯科 院長

今泉 朋久(いまいずみ ともひさ

 

【経歴】

館林市出身

日本大学松戸歯学部卒業