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2026/02/27 虫歯

歯の神経を抜く判断基準とは?虫歯の進行度別に見る治療法

歯の神経を抜く判断基準とは?虫歯の進行度別に見る治療法

歯の神経を抜くべきか・・・その判断に迷っていませんか?

「歯の神経を抜く必要があります」と言われたとき、多くの方が不安を感じるのではないでしょうか。

できることなら自分の歯の神経は残したい。そう思うのは当然のことです。歯の神経は、歯に栄養を届けたり、痛みを感じ取ることで歯を守ったりする大切な役割を果たしています。

しかし、虫歯が進行して神経まで達してしまった場合、神経を残すことがかえって痛みを長引かせたり、さらなる感染を引き起こしたりすることもあります。

この記事では、歯の神経を抜く判断基準について、虫歯の進行度別に詳しく解説します。どのような症状が出たら神経を抜く必要があるのか、治療後の注意点まで、歯の健康を守るために知っておきたい情報をまとめました。

歯の神経とは?その役割を知っておきましょう

 

一般的に「歯の神経」と呼ばれているものは、正式には「**歯髄(しずい)**」といいます。

歯髄は歯の中心部にあり、神経繊維だけでなく血管も含まれています。歯に栄養や酸素を届け、細菌の侵入に抵抗する働きをしています。また、冷たいものや熱いものを感じ取ることで、虫歯などの異常を早期に察知する役割も担っています。

歯髄があることで、歯は健康な状態を保ちやすくなります。しかし、虫歯や外傷によって細菌が歯髄に感染すると、炎症を起こし、激しい痛みや腫れを引き起こすことがあります。

そのため、感染が進行した場合には、歯髄を取り除く「**抜髄(ばつずい)**」という処置が必要になることがあります。

虫歯の進行度(C0〜C4)と神経を抜く判断基準

虫歯は進行度によって「C0」から「C4」までの段階に分けられます。それぞれの段階で治療法が異なり、神経を抜くかどうかの判断も変わってきます。

C0(初期虫歯)・・・削らずに改善を目指せる段階

歯の表面が白く濁っている程度の初期虫歯です。

この段階では痛みもなく、まだ歯に穴は開いていません。フッ素塗布やクリーニングによって再石灰化を促進し、削らずに改善を目指すことができます。

定期的な検診で早期発見できれば、神経を抜くどころか、歯を削る必要もありません。

C1(エナメル質の虫歯)・・・最小限の治療で済む段階

虫歯が歯の表面のエナメル質にとどまっている状態です。

冷たいものがしみることがありますが、痛みはほとんどありません。虫歯部分を削って詰め物をする治療で済み、神経を抜く必要はありません。

C2(象牙質の虫歯)・・・痛みが出始める段階

虫歯がエナメル質の下にある象牙質まで進行した状態です。

冷たいものや甘いものがしみるようになり、時々痛みを感じることもあります。この段階でも、虫歯部分を削って詰め物や被せ物をする治療が基本で、多くの場合、神経を残すことができます。

ただし、虫歯が神経に近い場合には、慎重な判断が必要になります。

C3(神経まで達した虫歯)・・・神経を抜く判断が必要な段階

虫歯が神経まで達し、歯髄が細菌に感染している状態です。

何もしていなくてもズキズキと激しく痛んだり、温かいもので強い痛みを感じたりします。夜も眠れないほどの痛みが続くこともあります。

この段階では、歯髄炎の状態を見極める必要があります。初期の「**可逆性歯髄炎**」であれば、神経を残せる可能性がありますが、進行した「**不可逆性歯髄炎**」の場合は、神経を抜く処置(抜髄)が必要になります。

C4(歯根まで進行した虫歯)・・・抜歯も検討する段階

歯の大部分が崩壊し、歯根だけが残っている状態です。

神経は完全に壊死しているため、痛みを感じなくなることもありますが、歯ぐきが腫れたり、膿が出たりすることがあります。この段階では、根管治療を行っても歯を残せない場合があり、抜歯が必要になることもあります。

神経を抜くべきか残すべきか・・・具体的な判断基準

歯科医師が神経を抜くかどうかを判断する際には、いくつかの重要な基準があります。

痛みの種類と持続時間

冷たいものでしみる程度であれば、神経を残せる可能性が高いです。

しかし、何もしていなくてもズキズキと痛む「**自発痛**」がある場合や、温かいもので強い痛みを感じる場合は、神経の炎症が進行しているサインです。

痛みが長時間続く場合や、夜間に痛みが強くなる場合も、神経を抜く必要がある可能性が高くなります。

レントゲン検査での確認

レントゲン画像で歯の根元に黒い影(膿の袋)が見える場合、神経がすでに死んでいる可能性があります。

この場合は、根管治療が必要になります。また、虫歯の深さや広がりもレントゲンで確認し、神経に達しているかどうかを判断します。

歯髄診断テスト

神経の反応を確認するために、電気や熱を使った検査を行うことがあります。

神経が生きている場合は刺激に反応しますが、反応がない場合は神経が死んでいると判断されます。この検査結果も、神経を抜くかどうかの重要な判断材料になります。

膿や腫れの有無

歯ぐきから膿が出ていたり、おできができていたりする場合は、神経の壊死が進んでいるサインです。

細菌感染が歯の根っこにまで広がり、頭蓋骨を溶かして膿が溜まっている状態です。この場合は、感染した神経を抜く治療が必要になります。

神経を抜く治療(抜髄・根管治療)の流れ

神経を抜く治療は「**根管治療**」と呼ばれ、いくつかのステップで進められます。

麻酔をして痛みを軽減

治療中の痛みを軽減するために、まず麻酔を行います。

当院では、表面麻酔や電動注射器を使用し、麻酔時の刺激を最小限に抑えています。麻酔が効けば、治療中の痛みはほとんど感じません。

感染した神経を取り除く

細い器具(ファイル)を使って、歯の中から感染した神経を物理的に取り除きます。

同時に、溶解性のある洗浄液で根管内を洗浄し、細菌を徹底的に除去します。神経の取り残しがあると、その後の痛みや再発につながるため、丁寧に処置を行います。

根管内を消毒して薬を詰める

神経を取り除いた後、根管内を消毒し、細菌の再感染を防ぐために薬を詰めます。

この処置を何度か繰り返し、根管内が清潔な状態になったことを確認してから、最終的な詰め物をします。

土台と被せ物を作成

根管治療が完了したら、歯を補強するための土台を作り、その上に被せ物をします。

神経を抜いた歯は栄養が届かなくなるため、脆くなりやすいです。そのため、しっかりとした被せ物で歯を保護することが重要です。

神経を抜いた後の注意点とケア

神経を抜いた後も、適切なケアを続けることが大切です。

治療後の痛みについて

治療直後は、麻酔が切れると多少の痛みや違和感を感じることがあります。

通常は数日で治まりますが、ズキズキとした強い痛みが続く場合や、噛むと痛い場合は、再度受診することをおすすめします。

虫歯の再発を防ぐために

神経を抜いた歯は、痛みを感じなくなるため、虫歯になっても気づきにくくなります。

そのため、毎日の丁寧なブラッシングと、3〜6か月ごとの定期検診が欠かせません。早期発見・早期治療を心がけることで、歯を長く守ることができます。

歯が割れるリスクに注意

神経を抜いた歯は、栄養が届かなくなるため、時間とともに脆くなる傾向があります。

硬いものを噛むときは注意し、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、マウスピースの使用を検討するとよいでしょう。

できるだけ神経を残すために・・・いまいずみ歯科の取り組み

当院では、「**できるだけ削らない・抜かない**」治療方針を大切にしています。

虫歯の進行段階を正確に診断し、必要最小限の範囲だけを丁寧に処置します。初期虫歯であれば、フッ素塗布やクリーニングで削らずに改善を目指します。

また、痛みへの配慮として、表面麻酔や電動注射器を使用し、麻酔時の刺激を軽減しています。治療中もこまめに声かけを行い、患者さまの不安に寄り添いながら進めています。

問診・視診・必要に応じたレントゲン検査を行い、現在の虫歯の状態や原因をわかりやすく説明します。どの段階の虫歯なのか、どんな治療が必要か、治療期間や回数の目安を丁寧に伝えたうえで治療を開始します。

衛生管理については、専用の滅菌室を設け、器具は患者さまごとに徹底管理しています。可能な限り使い捨て器具も採用し、院内感染予防にも力を入れています。

治療後の再発防止のため、ブラッシング指導や生活習慣のアドバイスも実施しています。3〜6か月ごとの定期検診を推奨し、長期的なお口の健康維持をサポートしています。

こんな症状があれば早めの受診を

以下のような症状がある場合は、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

  • 歯が痛い・しみる
  • 黒ずみや穴が気になる
  • 詰め物が取れてしまった
  • 歯ぐきが腫れている
  • 膿が出ている

虫歯は放置すると進行し、最終的には抜歯が必要になることもあります。

早めの受診が、ご自身の歯を長く守る第一歩です。歯医者が怖い方や、できるだけ歯を削りたくない方も、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ・・・歯の神経を守るために大切なこと

歯の神経を抜くかどうかの判断は、虫歯の進行度や症状によって異なります。

初期段階であれば神経を残せる可能性が高いですが、進行した虫歯では神経を抜く処置が必要になることもあります。大切なのは、早期発見・早期治療です。

定期的な検診を受け、虫歯を早い段階で見つけることができれば、神経を残せる可能性が高まります。また、毎日の丁寧なブラッシングと、生活習慣の見直しも重要です。

当院では、患者さまの大切な天然歯をできるだけ残すことを第一に考えた治療を行っています。不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。

ご自身の歯を長く健康に保つために、一緒に取り組んでいきましょう。

著者情報

いまいずみ歯科 院長

今泉 朋久(いまいずみ ともひさ

 

【経歴】

館林市出身

日本大学松戸歯学部卒業