歯がグラグラする原因は歯周病?放置すると抜歯になるケースと治療法を解説

歯がグラグラする・・・その原因は歯周病かもしれません
「最近、歯がグラグラする気がする」「硬いものを噛むと違和感がある」そんな症状に心当たりはありませんか?
歯がグラグラする原因の多くは、実は**歯周病**です。歯周病は、日本人の成人の約8割が罹患していると言われる国民病であり、放置すると最終的には歯を失う原因となります。
45歳以上の2人に1人が歯周病にかかっているというデータもあり、決して他人事ではありません。初期では自覚症状が乏しいため、知らない間に症状が進行してしまうケースも多いのです。
この記事では、歯がグラグラする原因となる歯周病について、その進行過程や放置した場合のリスク、そして適切な治療法まで詳しく解説します。大切な歯を守るために、ぜひ最後までお読みください。

歯周病で抜歯と言われたら知っておきたい5つの選択肢
歯周病が進行し抜歯を勧められた場合でも、状況によっては複数の治療選択肢があります。それぞれの特徴や考え方を歯科医の視点でわかりやすく解説します。
歯周病とは?歯がグラグラするメカニズム
歯周病は、歯に付着した細菌の塊である「歯垢(プラーク)」によって引き起こされる感染症です。
大人の口腔内には300〜700種類もの細菌が生息しており、歯をよく磨く人でも1,000〜2,000億個、歯をほとんど磨かない人では1兆個もの細菌が存在すると言われています。これらの細菌が歯垢を形成し、歯周病の原因となるのです。
歯周ポケットの深化と骨の破壊
歯茎に炎症が起こると、歯と歯茎の間にある「歯周ポケット」と呼ばれる溝が深くなります。
健康な状態では2〜3mm程度の深さですが、歯周病が進行すると5mm、7mm、さらにそれ以上と深くなっていきます。歯垢が溜まるほどに歯周病菌も増殖し、炎症が悪化していくのです。
さらに深刻なのは、歯周病菌が歯を支えている顎の骨(歯槽骨)を溶かしてしまうことです。骨が少なくなると歯を支えきれなくなり、歯がグラグラと動くようになります。これが、歯周病で歯が揺れる理由です。
歯石の形成と悪循環

歯垢は2日で歯石(プラーク)になると言われています。
歯石はざらつきがあり、さらに汚れが付着しやすい性質を持っています。そのため、歯石ができると歯周病菌が繁殖しやすい環境が整い、炎症がさらに進行するという悪循環に陥ります。
歯石は通常のブラッシングでは取り除けないため、歯科医院での専門的な処置が必要です。
歯周病の進行段階と症状の変化
歯周病は、初期・中等度・重症と段階的に進行していきます。進行程度の見極め方は、歯周ポケットの深さで判断します。
初期段階(歯肉炎):歯周ポケット2〜5mm
初期では、歯と歯茎の間の溝が通常より深くなるほか、歯茎が薄ピンクから赤色に変化します。
この段階での主な症状は以下の通りです。
- 歯みがきのときに出血する
- 歯茎がむずがゆくなる
- 歯茎が赤く腫れる
痛みはほとんどないため、歯周病だと気づきにくいのが特徴です。しかし、この段階であれば、適切なブラッシングと歯科医院でのスケーリング(歯石除去)で症状の改善が見込めます。
中等度段階:歯周ポケット5〜7mm
中等度になると、歯を支える歯槽骨が半分ほどまでダメージを受けます。
この段階では、以下のような症状が現れます。
- 歯が浮く感じがする
- 硬いものが食べにくくなる
- 歯茎が下がってきた
- 歯に食べカスが挟まりやすくなる
- 歯がしみる
- 口臭が気になる
飲食時に不快感があり、日常生活にも影響が出始めます。この段階では、スケーリングに加えて、SRP(スケーリング・ルートプレーニング)という歯茎の下の歯石を除去する治療が必要になります。
重症段階:歯周ポケット7mm以上
重症になると、歯槽骨の3分の2以上がダメージを受けるため、歯のぐらつきが酷くなります。
この段階の症状は深刻です。
- 食事が困難になる
- 口腔内が出血する
- 歯が大きく動く
- 膿が出る
歯肉炎となり歯茎が下がると、露出した歯の根元が虫歯になるリスクも高まります。この段階では、歯周外科治療や抜歯が必要になるケースも少なくありません。
放置すると抜歯になるケースとは

歯周病を放置すると、最終的には抜歯に至るケースがあります。どのような状態になると抜歯が避けられないのでしょうか?
歯の動揺度が高い場合
歯の揺れ具合(動揺度)は、歯周病の進行度を示す重要な指標です。
動揺度は一般的に以下の4段階で評価されます。
- **M0**:問題なし(生理的動揺の範囲)
- **M1**:前後に少し歯が動く
- **M2**:前後・左右に歯が動く
- **M3**:前後・左右・上下に歯が動く
M3の段階まで進行すると、歯を支える骨がほとんど失われており、抜歯を選択せざるを得ないケースが多くなります。
骨の破壊が著しい場合
レントゲン検査で顎の骨がどのくらい溶かされているかを確認します。
歯槽骨の破壊が著しく、歯を支えることができない状態になると、治療を行っても歯を残すことが難しくなります。特に、骨の破壊が歯根の3分の2以上に及ぶ場合は、抜歯の可能性が高まります。
口腔鼻腔瘻(ろう)が形成された場合
上顎の犬歯を中心に歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨や顎骨が破壊され、口腔と鼻腔が繋がってしまう「口腔鼻腔瘻」という状態になることがあります。
この状態になると、口の中で増殖した歯周病菌が鼻腔に侵入し、鼻から膿の鼻水が出るなどの症状が現れます。口腔鼻腔瘻が形成された場合、抜歯と外科的な処置が必要になります。
歯周病の治療法:段階に応じたアプローチ
歯周病の治療は、進行度に応じて適切な方法を選択します。基本的な考え方は、「口腔内から歯周病菌を減らすこと」です。
歯周基本治療:すべての段階で必要な治療

歯周病の進行の程度にかかわらず、初めに行われるべき治療が「歯周基本治療」です。
**プラークコントロール(ブラッシング指導)**
歯周病を治すには、口腔内のプラークを取り除くこと(プラークコントロール)が最重要です。そのための基本になるのがブラッシングです。
患者さまご自身が、毎日のブラッシングでプラークをしっかり取り除けるようにならないと歯周病は改善しません。当院では、正しいブラッシングを習得できるまで丁寧に指導します。
**スケーリング(歯石除去)**
専用の機器を用いて、歯根面に付着した歯石を取り除く治療が「スケーリング」です。歯石はざらつきがあり汚れが付着しやすいため、歯周病菌が繁殖しにくいようにスケーリングで歯石を除去し、表面をなだらかにする必要があります。
症状が軽度であれば、歯石の除去とセルフケアで症状の改善が見込めます。
SRP(スケーリング・ルートプレーニング):中等度以上の治療
中等度から重症になると、SRPという治療方法も併せて行います。
SRPとは、歯茎の下の歯石(歯肉縁下歯石)の表面をなめらかにする治療法です。スケーリングでもとれないざらつきを除去することで、歯周病菌の付着を抑制します。
歯周ポケットの深くに治療器具を入れる必要があるため、痛みが出る恐れがあります。当院では、表面麻酔や局所麻酔を使用し、できるだけ痛みを抑えた治療を心がけています。
歯周外科治療:重症例への対応
歯周病が進行しており、歯周基本治療だけでは改善が見込めない場合は、「歯周外科治療」を行います。
**歯周外科手術**
患部の歯茎を切開し、歯根面に付着しているプラークや歯石を除去します。デブライドメントやスケーリングではアプローチできないほど、歯周ポケットの奥深くにこびり付いているプラーク・歯石を取り除くことができます。
**歯周組織再生療法**
歯周病が進行すると、顎の骨や歯根膜などの歯周組織が溶かされてしまいます。この歯周組織を再生させるために行う治療が「歯周組織再生療法」です。
具体的には、骨が溶かされてしまった部分に特殊な人工膜を挿入することで歯周組織の再生を促す「GTR法」や、タンパク質の一種を歯根面に塗ることで、歯が生えてくるときと同じような環境をつくり歯周組織の再生を促す「エムドゲイン法」が一般的です。
咬み合わせの調整と固定
歯周病の進行に伴い歯は動いてきますが、動いている歯で噛むとさらに負担が増すため、その負担を軽くするために歯を削るなどして咬み合わせの調整を行います。
それでもぐらぐらして噛みづらい場合は、歯科用の接着剤で隣の歯と接着し、ぐらぐらを抑えていきます。
いまいずみ歯科の歯周病治療へのアプローチ
当院では、「削らない・抜かない」治療を心がけ、天然歯の保存を最優先にしています。
丁寧なカウンセリングと分かりやすい説明
治療内容・期間・費用を事前にしっかり共有し、患者さまの納得を得てから治療を開始します。
歯周病は自然治癒が難しい病気です。治療を行わずそのままにしていると、症状が進行していくだけでなく、大きな痛みと感染の原因となります。そのため、デンタルグッズで対応するのではなく、必ず歯科医院で治療することが不可欠です。
痛みへの配慮

表面麻酔や低侵襲な方法を採用し、歯科が苦手な方も安心して通院できる環境を提供しています。
「手術」と聞くと不安を感じる方も多いかもしれません。当院では、麻酔の方法や切開範囲にも配慮し、できるだけ痛みや腫れを抑えた治療を行っています。
定期メインテナンスの重要性
歯周病治療後の再検査で改善が確認できたら、メインテナンス(定期的に清掃と検査)に移行します。
3〜4か月に一度の定期メンテナンスで、インプラント周囲炎を予防し、清潔で安心なお口を保ちましょう。治ってなければ再度治療というように、治るまで治療と検査が繰り返されます。
佐野市内限定の無料送迎サービス
通院が難しい方をサポートするため、佐野市内限定で無料送迎サービス(事前予約制)を実施しています。
訪問歯科は水曜のみ対応していますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:歯がグラグラしたら早めの受診を
歯がグラグラする原因の多くは歯周病です。
歯周病は初期では自覚症状が乏しいため、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。しかし、適切な治療やセルフケアで炎症をなくすことはできます。
放置すると歯を失うだけでなく、口腔鼻腔瘻などの深刻な状態に至る可能性もあります。早期発見・早期治療が、大切な歯を守る鍵です。
「歯みがきのときに出血する」「歯茎が下がってきた」「硬いものが噛みにくい」「口臭が気になる」といった症状に心当たりがある方は、ぜひ一度、歯科医院でチェックを受けることをおすすめします。
いまいずみ歯科では、佐野市の皆さまが「自分の歯で食べる幸せ」を取り戻せるよう、心を込めてサポートいたします。お困りごとはお気軽にご連絡ください。WEBのお問い合わせフォームから24時間受付可能です。
歯を失っても、しっかり噛める喜びを諦めないでください。当院では、患者さま一人ひとりの状態や生活に合わせ、無理のない方法で安全・確実な治療を行っています。
著者情報
いまいずみ歯科 院長
今泉 朋久(いまいずみ ともひさ)

【経歴】
館林市出身
日本大学松戸歯学部卒業