金属アレルギーでもできるインプラントは?安全性の高い素材を歯科医が解説

金属アレルギーがあってもインプラント治療は受けられるのか
「ピアスで肌が荒れたことがある」「時計のベルトでかぶれた経験がある」・・・そんな金属アレルギーをお持ちの方にとって、インプラント治療は不安に感じるかもしれません。
インプラントは顎の骨に金属製の人工歯根を埋め込む治療です。
しかし、結論から申し上げると、**金属アレルギーの方でもインプラント治療を受けられるケースがほとんど**です。
なぜなら、インプラントに使用される素材は、一般的な金属アクセサリーとは全く異なる特性を持つからです。
インプラントに使われる「チタン」という金属の特徴
現在、歯科インプラントの主流となっているのが**チタン製のインプラント**です。
チタンは医療分野で広く使われており、心臓のペースメーカーや人工関節にも採用されています。
チタンが選ばれる3つの理由
チタンがインプラント素材として選ばれる理由は、主に3つあります。
第一に、骨と生体的に結合する性質を持っています。
これを「オッセオインテグレーション」と呼びます。
チタン製のインプラント体の表面には、顎の骨の骨組織が顕微鏡レベルの細かさで入り込み、強固に結合するのです。
単純に機械的にはめ込んでいるわけではなく、生体的な結合現象によって安定性が保たれます。
第二に、金属アレルギーを起こしにくいという特性があります。
チタンは元素が安定している遷移金属に分類され、唾液や汗への金属イオンの溶け出しが極めて少ないです。
そのため、金属アレルギーを引き起こす心配がほぼありません。
第三に、適度なしなやかさを持っています。
強度が高いだけでなく、弾性があるため、顎の骨や歯ぐきと馴染みやすいのです。
硬すぎる金属を使うと、顎の骨や歯ぐきを痛めてしまう可能性がありますが、チタンはその心配がありません。
チタンアレルギーの発症頻度はどの程度か
チタンによるアレルギー反応は非常にまれです。
発症頻度は0.5%から5.8%程度と報告されており、他の金属と比較すると圧倒的に低い数値となっています。
多くのインプラント専門医院でも「金属アレルギーがあってもインプラント治療は可能」という認識が一般的です。
ただし、可能性がゼロではないため、心配な方は事前にアレルギー検査を受けることをおすすめします。

インプラントで後悔しないために知っておくべきリスクと対策を歯科医が解説
インプラント治療で後悔しないために、事前に知っておくべき代表的なリスクと、その対策方法を歯科医の視点でわかりやすく解説します。治療を検討中の方に役立つ内容です。
金属アレルギーの方がインプラント治療を受ける際の注意点
金属アレルギーをお持ちの方がインプラント治療を検討される場合、いくつかの重要なポイントがあります。
適切な準備と対策を行うことで、リスクを最小限に抑えながら治療を進めることができます。
事前に歯科医師へ必ず申告すること

まず最も大切なのは、**ご自身が金属アレルギーであることを必ず歯科医師に伝える**ことです。
過去にピアスや時計で肌が荒れた経験がある方、アクセサリーでかぶれたことがある方は、その旨を正直にお話しください。
申告していただくことで、チタンに対するアレルギー反応があるかどうかを事前に検査することができます。
検査方法としては、パッチテストや血液検査(リンパ球刺激試験)があります。
パッチテストでは、金属試薬を含ませたシール状のパッチを皮膚に貼り、数日間放置して反応を確認します。
血液検査では、採血した血液中の白血球に金属イオンを加えて反応を見る方法です。
これらの検査は皮膚科でも受けられますので、インプラント治療前に受けておくと安心です。
純度の高いチタンを選択すること
インプラント体は100%チタン製というわけではありません。
すべてチタンで作ると強度が不足し、噛む力に負けて折れる可能性があるため、アルミニウムなどの他の金属を数%混ぜて作ることが一般的です。
数%程度の混合であれば、チタンの比率が圧倒的に高いため、金属アレルギーを引き起こす可能性は極めて低いです。
しかし、なかにはチタンの比率が低いインプラントも存在します。
混合物が多いインプラントで治療すると、金属アレルギーを引き起こす可能性が高まります。
歯科医師に相談し、**純度の高いチタン製インプラント**を選択することが大切です。
上部構造の素材にも配慮すること
インプラント体だけでなく、上部構造(見える歯の部分)の素材にも注意が必要です。
金属アレルギーであることを申告しなかった場合、上部構造に金属が使用される可能性があります。
金歯や銀歯を使用した場合、金属アレルギーの症状が出る可能性があるため、注意してください。
治療前に医師に申告しておけば、**セラミックやジルコニア**などの金属ではない素材を提案してもらえます。
セラミックやジルコニアは陶器のため、金属アレルギーの方でも問題なく装着できます。
さらに、審美性にも優れており、天然歯に近い見た目を得られるため、前歯に使用しても違和感がありません。
金属アレルギーによって起こり得る症状とは
万が一、インプラント治療後に金属アレルギーが発症した場合、どのような症状が現れるのでしょうか。
主な症状を理解しておくことで、早期発見・早期対応が可能になります。
口腔扁平苔癬による症状
口腔扁平苔癬とは、口の粘膜に炎症や白いレース状の模様が現れる病気です。
舌、頬の内側、歯ぐきなどに症状が出ることがあります。
粘膜がざらついたり、ただれ(びらん)を伴ったりすることもあります。
主な自覚症状としては、粘膜の赤みや腫れ、しみる感覚、ヒリヒリする痛み、味覚の異常、粘膜の違和感などが挙げられます。
インプラント治療後、これまで見られなかった口内の異常や痛みが突然現れた場合は、金属アレルギーが関係した口腔扁平苔癬の可能性も考えられます。
掌蹠膿疱症による症状
掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に小さな水ぶくれができる皮膚の疾患です。
かゆみや痛みを伴うこともあり、繰り返し発症することがあります。
インプラント金属が原因となる場合、掌蹠膿疱症の発症や悪化と関連づけられた報告がまれにあります。
実際に、歯科金属やインプラントを除去したことで皮膚症状が落ち着いた例も確認されています。
皮膚症状と口腔の粘膜症状が併発するケースもあり、そのような場合は金属アレルギーとの関連を疑う必要があります。
その他の全身症状
金属アレルギーは、口の中だけでなく全身に症状が現れることもあります。
アトピー性皮膚炎の悪化、接触性皮膚炎、皮膚そう痒症、脱毛症などが報告されています。
また、頭痛や肩こり、めまい、慢性的な疲労感などの症状が現れるケースもあります。
これらの症状がインプラント治療後に現れた場合は、すぐに歯科医師に相談してください。
金属を使わない「ジルコニアインプラント」という選択肢

近年、金属アレルギーの方に向けた新しい選択肢として、**ジルコニアインプラント**が注目されています。
ジルコニアは金属を一切含まないセラミック製のインプラントで、金属アレルギーのリスクがありません。
ジルコニアインプラントの特徴
ジルコニアは白い素材のため、審美的にも優れており、金属色が見えることがありません。
特に前歯のインプラント治療では、歯ぐきから金属が透けて見える心配がないため、自然な見た目を実現できます。
強度が高く耐久性もあるため、奥歯の治療にも使用できます。
ただし、チタンインプラントと比べると長期的なデータが少ないため、慎重な選択が求められます。
ジルコニアインプラントのメリットとデメリット
ジルコニアインプラントの最大のメリットは、**金属アレルギーのリスクがゼロ**であることです。
また、白い素材のため、審美性が非常に高く、自然な笑顔を取り戻せます。
生体親和性も高く、骨との結合も良好です。
一方で、デメリットとしては、チタンインプラントよりも費用が高くなる傾向があることです。
また、長期的な臨床データがチタンほど蓄積されていないため、10年、20年といった超長期的な安定性については、今後のデータ蓄積が待たれます。
歯科医師と相談しながら、ご自身の状態や生活に合わせて、最適な素材を選ぶことが重要です。
いまいずみ歯科のインプラント治療が選ばれる理由
当院では、金属アレルギーの方にも安心してインプラント治療を受けていただけるよう、さまざまな配慮を行っています。
精密診断と徹底した治療計画
当院では、歯科用CTで骨量・神経走行を立体的に把握し、デジタルシミュレーションで埋入位置・角度・深度を事前設計しています。
これにより、安全性と正確性を高めることができます。
金属アレルギーの方には、事前にアレルギー検査を受けていただくことも可能です。
サージカルガイドによる正確な埋入

CTデータから作製した手術用の型(サージカルガイド)により、計画通りの位置に正確に埋入します。
神経・血管リスクの低減と低侵襲を両立し、術後の痛みや腫れを最小限に抑えます。
世界的に信頼される素材の採用
当院では、生体親和性・長期安定性に優れた**ストローマン社製**のインプラントを採用しています。
世界的に信頼されている素材を使用することで、長く安心して使っていただけるインプラントを目指しています。
術後管理まで一貫したサポート
インプラントは「入れて終わり」ではありません。
当院では、治療後も3〜4か月ごとの定期メンテナンスを行い、インプラント周囲炎を予防します。
咬合の調整・クリーニングまで含め、長期的な安心を提供しています。
まとめ:金属アレルギーでも諦めずにご相談ください
金属アレルギーをお持ちの方でも、適切な素材選択と事前検査により、インプラント治療を受けられる可能性は十分にあります。
チタンは金属アレルギーを起こしにくい素材ですし、心配な方にはジルコニアインプラントという選択肢もあります。
大切なのは、事前に歯科医師に金属アレルギーであることを申告し、適切な検査と素材選択を行うことです。
「もう噛めない」とあきらめていた方にも、自分の歯で噛める喜びを取り戻すお手伝いをいたします。
佐野市のいまいずみ歯科では、丁寧なカウンセリングと分かりやすい説明で、患者さん一人ひとりの状態や生活に合わせた治療を行っています。
金属アレルギーに関する不安や疑問がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
しっかり噛める、自然な笑顔をもう一度取り戻しましょう。
佐野市内限定で無料送迎サービス(事前予約制)も実施しておりますので、通院が難しい方もぜひご利用ください。
著者情報
いまいずみ歯科 院長
今泉 朋久(いまいずみ ともひさ)

【経歴】
館林市出身
日本大学松戸歯学部卒業