インプラントがぐらつく原因とは?受診の目安と対処法
インプラントがぐらつくのは危険なサインです
インプラントは顎の骨としっかり結合するため、本来は動くことがありません。
しかし、何らかの原因でぐらつきを感じた場合、それは重大なトラブルのサインかもしれません。放置すると、インプラントが抜け落ちたり、周囲の骨が溶けたりする恐れがあります。
当院では、「削らない・抜かない治療」を心がけていますが、インプラントのトラブルに関しては早期発見と適切な対処が何より大切です。
この記事では、インプラントがぐらつく主な原因から、すぐに受診すべき症状、自宅でできる応急処置まで詳しく解説します。
インプラントがぐらつく主な原因
インプラントがぐらつく原因はいくつかあります。
どれも起こりうるものですので、ぐらつきを感じた場合は以下のいずれかを疑ってみるとよいでしょう。
インプラント周囲炎が進行している
インプラント周囲炎は、インプラントを埋め込んでいる周囲に炎症が起こった状態のことです。
傷口から菌が入り込んで感染を引き起こし、腫れや痛みなどの症状が出ます。悪化すると膿が出たり骨が溶けたりするため、インプラントがぐらつくのです。
口腔内の清掃状態・全身の健康状態・喫煙の有無など、さまざまな要因により引き起こされます。特に、口腔環境が悪化すると、細菌の繁殖が原因でインプラント周囲炎を発症しやすくなるため注意が必要です。
骨とインプラントの結合が不十分である
インプラント治療は人工の歯根を顎の骨に埋め込むものです。
歯根と骨とがしっかりと結合しなければなりません。これにより、自然な歯のように噛む力を分散し、健康な口腔環境を維持することができるのです。
しかし、手術後の経過や術者の技術、インプラントの材質や形状、患者さまご自身の骨の質や健康状態などが影響を及ぼすことがあります。
具体的には、骨の吸収が進行することや骨が薄くなるなど、インプラントがしっかりと固定されず、ぐらつくことがあるのです。
術前の検査や診断が不十分だった
インプラントの治療を行う前に、レントゲンなどの術前検査や歯科医師による診断を行います。
その結果を元に問題なくインプラント治療を行えるかを判断しますが、このときの分析が不十分だと、顎がインプラントに耐えられずぐらつく原因となるかもしれません。
当院では、CT撮影による精密診断を実施し、顎の骨の厚みや神経・血管の位置まで詳細に分析しています。このデータをもとに綿密なシミュレーションを行い、患者さま一人ひとりに合わせた安全性の高い治療計画を立案しています。
アバットメントが緩んでいる
アバットメントとは、顎に埋め込まれているインプラント体と、人工歯を接続する部品です。
アバットメントのネジが緩んでいると、その上の歯にも影響してぐらつきが発生します。
インプラントとアバットメントはネジで締めて固定するもので、歯ぎしりや食いしばりによって緩むこともあります。また人工歯とアバットメントはネジで固定するタイプと接着剤で固定するタイプがあり、ネジが緩んでしまったり接着剤が剥がれてしまうと揺れる可能性があります。
人工歯の接着が弱くなっていた
インプラント治療で使用する人工歯のなかには、歯科専用の接着剤でインプラント体に接着するものがあります。
その場合、接着剤の粘着力の低下によって、人工歯がぐらついている可能性があります。
とくにインプラント体にトラブルがなければ、もう一度接着剤で人工歯を取り付けることで元の状態に戻せるでしょう。
噛み合わせや噛み癖による影響
噛み合わせや噛み癖が、インプラントのぐらつきに影響を与えている場合があります。
インプラントや他の歯に余計な負荷がかかるからです。例えば、歯ぎしりの癖があって歯に過度な圧力が加わっている場合や、噛み合わせが悪いことによって1箇所に集中して力がかかっている場合が挙げられるでしょう。
歯に力がかかるとインプラントの根本にまで影響し、ぐらつくことがあるのです。
すぐに受診すべき危険な症状
インプラントのぐらつきを放置すると、最悪の場合はインプラントを除去しなければいけなくなります。
ぐらつきに気づいたら、すぐ適切に対処しなければいけません。
インプラントのぐらつきをそのままにしておけば、歯茎が炎症を起こして痛くなったり、インプラントが破損して使えなくなったりする恐れがあります。ぐらつきが強くなると、インプラントが抜け落ちる可能性もあるでしょう。
放置すればするほど状況は悪化するため、早めに相談してください。
こんな症状があればすぐに受診を
歯茎の腫れや出血がある場合は、インプラント周囲炎の初期段階である可能性があります。
膿が出ている場合は、感染が進行している証拠です。
痛みを伴うぐらつきは、骨の吸収が進んでいる可能性があります。
インプラントの一部が見えている場合は、歯茎が下がっている可能性があります。
これらの症状がある場合は、できるだけ早く歯科医院へ連絡してください。
インプラントがぐらつくときにしてはいけないこと
インプラントのぐらつきを発見したときは、次の点に注意しましょう。
状況を悪化させてしまう可能性があるため、以下で解説することは避けましょう。
インプラントを触らない
ぐらついているインプラントを指や舌で触ると、細菌感染のリスクが高まります。
また、無理に動かすことで周囲の組織を傷つける可能性があります。
インプラントの部分で噛まない
ぐらついている部分で硬いものを噛むと、インプラントが破損したり、周囲の骨が傷ついたりする恐れがあります。
できるだけ柔らかいものを食べるようにしましょう。
外れた部品を自分で取り付けない
アバットメントや人工歯が外れた場合、自分で元に戻そうとしないでください。
不適切な方法で取り付けると、インプラント体を傷つけたり、感染を引き起こしたりする可能性があります。
外れた部品は清潔な容器に保管し、歯科医院に持参してください。
禁煙する
喫煙はインプラント周囲炎のリスクを高めます。
ぐらつきが発生した場合は、できるだけ禁煙することをおすすめします。
インプラントがぐらつくときの対処法
インプラントが揺れている場合、速やかに施術を受けた歯科医院に相談しましょう。
これはインプラントと被せ物の間のネジが緩んでいたりアバットメントのネジが緩んでいたりする場合、施術した以外の歯科医院では締める器具がない可能性があるためです。
ネジを締め直す
アバットメントのネジが緩んでいる場合は、専用の器具でネジを締め直すことで改善できます。
これは比較的簡単な処置で、短時間で完了します。
インプラント周囲炎の治療をする
インプラント周囲炎が原因の場合は、周囲の消毒や清掃を行います。
進行している場合は、歯茎を切開して病状の確認・処置をすることもあります。
インプラントの再手術をする
骨とインプラントの結合が不十分な場合や、骨の厚みが足りていない場合は、インプラントの再手術が必要になることがあります。
当院では、骨量不足で他院では難しいと診断されたケースにも対応可能で、GBR(骨再生誘導法)、サイナスリフト、ソケットリフトといった骨造成技術を行い、幅広い症例に対応しています。
噛み合わせを調整する
噛み合わせや噛み癖が原因の場合は、噛み合わせを調整することで改善できます。
また、歯ぎしりの癖がある場合は、ナイトガードの使用をおすすめすることもあります。
インプラントを除去する
インプラント周囲炎で揺れている場合はインプラントを除去しなければならないこともあります。
ただし、これは最終手段であり、可能な限り保存的な治療を優先します。
インプラントがぐらつくのを予防する方法
インプラントのぐらつきを予防するためには、日々のケアと定期的なメンテナンスが重要です。
歯磨きを徹底する
インプラント周囲炎を予防するためには、毎日の歯磨きが欠かせません。
インプラント周囲は特に丁寧に磨き、歯垢を残さないようにしましょう。歯間ブラシやデンタルフロスも活用してください。
歯科医院での定期的なメンテナンスを受ける
インプラントは入れたら終わりではありません。
定期的な検診とクリーニングを通じて、インプラント周囲炎の予防や長期安定をサポートすることが大切です。
当院では、3〜4か月ごとの定期管理を推奨し、長く使い続けられる体制を整えています。
違和感や異変に気付いたらすぐに歯科医院に相談する
わずかなぐらつきや違和感でも、早めに相談することが大切です。
早期発見・早期治療が、インプラントを長持ちさせる鍵となります。
まとめ
インプラントがぐらつく原因は、インプラント周囲炎、骨との結合不足、アバットメントの緩み、噛み合わせの問題など、さまざまです。
ぐらつきを放置すると、インプラントが抜け落ちたり、周囲の骨が溶けたりする恐れがあります。
ぐらつきを感じたら、できるだけ早く歯科医院に相談してください。
当院では、CT撮影による精密診断、サージカルガイドを用いた正確な埋入、世界的に信頼性の高いストローマン社製インプラントシステムの採用、骨造成技術への対応など、安全性と長期安定性を重視したインプラント治療を提供しています。
インプラント治療後は、定期的な検診とクリーニングを通じて、インプラント周囲炎の予防や長期安定をサポートしており、3〜4か月ごとの定期管理を推奨しています。
生涯ご自分の歯で食事をし、笑顔でいられるようサポートしていきたい、それが当院の願いです。
インプラントのぐらつきや違和感を感じたら、お気軽にご相談ください。