虫歯が神経まで進むとどうなる?症状と治療の判断ポイントを解説
虫歯が痛み出したとき、「もしかして神経まで達しているのでは?」と不安になったことはありませんか?
虫歯は放置すると歯の内部へと進行し、やがて神経に到達します。そうなると、激しい痛みに襲われたり、最悪の場合は神経を抜く治療が必要になることも・・・。
この記事では、虫歯が神経に達したときの症状や治療の判断基準、根管治療の流れ、そして早期受診の重要性について詳しくお伝えします。
歯の健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。
虫歯が神経に達するとどうなる?痛みの特徴
虫歯が進行して神経に近づくと、痛みの質が大きく変わります。
初期の虫歯では冷たいものがしみる程度ですが、神経に達すると「ズキズキ」とした激しい痛みが続くようになります。
神経に達した虫歯の代表的な症状
神経まで進行した虫歯では、以下のような症状が現れます。
- 冷たいものや温かいものがしみる:初期は冷たいものだけですが、進行すると温かいものでも痛みが増します。
- 何もしなくても痛む(自発痛):夜間に突然痛み出し、眠れなくなることもあります。
- ズキズキとした拍動性の痛み:心臓の鼓動に合わせて痛みが波のように押し寄せます。
- 痛みが広範囲に広がる(関連痛):側頭部や肩まで痛みが波及することがあります。
このような症状が出た場合、神経が炎症を起こしている可能性が高いです。
神経が死んでしまうとどうなる?
虫歯を放置し続けると、神経が死んでしまうことがあります。
神経が死ぬと一時的に痛みは消えますが、これは治ったわけではありません。歯の内部には細菌が残り続け、やがて歯の根の先に膿がたまる「根尖性歯周炎」という病気に進行します。
この段階になると、歯茎や顎が腫れたり、激しい痛みが再発したりします。レントゲン撮影を行うと、根の先に黒い影が見えることが多いです。
神経を抜くべきか残すべきか?治療の判断基準

虫歯が神経に達したからといって、必ずしも神経を抜く必要はありません。
神経を残せるかどうかは、虫歯の進行度や症状によって慎重に判断されます。
神経を抜かなければいけないケース
以下のような状態では、神経を抜く治療(抜髄処置)が推奨されます。
- 神経が細菌に感染している:炎症が進み、神経を残しても回復が見込めない場合。
- 激しい痛みが続いている:温かいものや冷たいものでしみる痛みが長時間続く場合。
- 歯の周囲に炎症が及んでいる:根の先に膿がたまり、周囲の骨が破壊されている場合。
これらの状態では、神経を取り除き、根管内を徹底的に消毒する「根管治療」が必要です。
神経を残せる可能性があるケース
一方で、以下のような状態であれば神経を残せる可能性があります。
- 虫歯が神経に達していても感染が軽度:神経の先端がわずかに露出している程度。
- 痛みが一時的で軽い:冷たいものに短時間しみる程度。
- 電気診査などで神経が生きていると確認できる:神経の機能が保たれている場合。
このような場合、神経を保護する薬(MTA系セメント)を使用し、神経を残す治療が選択されることがあります。
神経を残すことで、歯の寿命を延ばし、将来的な歯の破折リスクを減らすことができます。
根管治療(神経を抜く治療)の流れ

神経を抜く治療は「根管治療」と呼ばれ、歯を残すために非常に重要な処置です。
治療の流れを詳しく見ていきましょう。
ステップ1:局所麻酔と虫歯の除去
まず、局所麻酔を行い、痛みを感じないようにします。
その後、虫歯を削り取り、神経が入っている「歯髄腔」にアクセスします。虫歯を青く染める薬を使い、慎重に削っていくことで、健康な歯質を守りながら治療を進めます。
ステップ2:神経の除去と根管の清掃
細いやすりのような器具(リーマーやファイル)を使って、神経を取り除きます。
根管は非常に細く、複雑に曲がりくねっていることもあるため、時間をかけて丁寧に清掃します。この作業が不十分だと、後に再発のリスクが高まります。
ステップ3:根管の消毒
神経を取り除いた後、根管内を消毒薬で洗浄します。
消毒作用のある薬品を使い、細菌を徹底的に除去します。近年では、レーザーや熱を使った消毒方法も取り入れられています。
ステップ4:根管充填
根管がきれいになったら、ゴム状の防腐剤(ガッタパーチャ)で根管を隙間なく埋めます。
これにより、細菌が再び侵入するのを防ぎます。根管充填が不十分だと、後に根の先に病巣ができることがあります。
ステップ5:土台と被せ物の装着
根管治療が終わったら、歯を補強するための土台(コア)を入れ、その上に被せ物(クラウン)を装着します。
神経を抜いた歯はもろくなっているため、しっかりとした補強が必要です。保険診療では金属の被せ物、自費診療ではセラミックの被せ物を選ぶことができます。
神経を抜いた歯のメリットとデメリット
神経を抜く治療には、メリットとデメリットの両面があります。
メリット
- 痛みがなくなる:神経を取り除くことで、虫歯による激しい痛みから解放されます。
- 感染の拡大を防ぐ:細菌が周囲の組織に広がるのを防ぎます。
デメリット
- 歯がもろくなる:神経を失った歯は栄養供給が途絶え、割れやすくなります。
- 変色する可能性:時間が経つと、歯が黒ずんでくることがあります。
- 痛覚がなくなる:虫歯が再発しても気づきにくくなります。
そのため、できるだけ神経を残す治療が推奨されますが、感染が進行している場合は神経を抜くことが最善の選択となります。
早期受診が歯を守る鍵

虫歯は自然治癒しません。放置すればするほど、治療は複雑になり、歯を失うリスクも高まります。
定期検診で早期発見を
虫歯は初期段階では自覚症状がほとんどありません。定期検診を受けることで、虫歯を早期に発見し、神経を残せる可能性が高まります。
当院では、歯科用CTを使った精密な診断を行い、患者さま一人ひとりに合わせた治療計画を立てています。
痛みが出たらすぐに受診を
「少ししみるだけだから大丈夫」と思っていても、虫歯は確実に進行しています。
痛みが出た時点で、すでに神経に近い状態かもしれません。早めの受診が、歯を守る最善の方法です。
削らない・抜かない治療を心がけています
いまいずみ歯科では、「削らない・抜かない」治療を基本方針としています。
天然歯の保存を最優先に考え、できるだけ神経を残す治療を提案しています。丁寧なカウンセリングと分かりやすい説明で、患者さまが納得してから治療を始めますので、安心してご相談ください。
まとめ
虫歯が神経に達すると、激しい痛みや腫れが生じ、最悪の場合は神経を抜く治療が必要になります。
しかし、早期に発見し適切な治療を受けることで、神経を残せる可能性が高まります。
虫歯の痛みを感じたら、放置せずにすぐに歯科医院を受診しましょう。定期検診を習慣にすることで、虫歯の進行を防ぎ、健康な歯を長く保つことができます。
いまいずみ歯科では、佐野市の皆さまに寄り添った丁寧な治療を提供しています。
虫歯でお悩みの方、神経を残せるか不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。お電話またはWEBのお問い合わせフォームから、24時間ご予約を受け付けています。
あなたの大切な歯を守るために、私たちが全力でサポートいたします。
著者情報
いまいずみ歯科 院長
今泉 朋久(いまいずみ ともひさ)

【経歴】
館林市出身
日本大学松戸歯学部卒業