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2026/01/30 虫歯

歯周病が治らない状態とは?歯を残せるかの見極めポイント

歯周病が治らない状態とは?歯を残せるかの見極めポイント

「歯周病が進行しているので、抜歯しかありません」

そう告げられた時、多くの方が大きなショックを受けます。

しかし、重度歯周病と診断されても、すべてのケースで即座に抜歯が必要になるわけではありません。

歯を支える骨の残存量や歯根の状態、炎症の広がり方など・・・複数の要素を総合的に評価することで、歯を残せる可能性を見極めることができます。

実際に、適切な治療とセルフケアを行うことで、痛みや出血・炎症を抑え、進行を止めることができるケースは少なくありません。

歯周病は「治らない病気」ではなく、「進行を止められる病気」なのです。

この記事では、重度歯周病でも歯を残せるかどうかの判断基準と、後悔しない治療選択のために知っておくべき重要なポイントを詳しく解説します。

 

歯周病が「治らない」と言われる理由

歯周病は「歯周病菌」という細菌による感染症です。

治るか治らないかでいうと、ある程度進行してしまった歯周病に関しては、完全に元に戻ることはありません。

というのも、歯周病というのは歯茎の病気と思われがちですが、実は**歯を支える骨を溶かす病気**だからです。

同じ骨でも、例えば骨折をした場合、折れた骨をもとの位置に戻し、固定することでいずれ治癒します。

しかし、歯周病で溶けてしまった骨は回復することはありません。

ただし、適切な治療とセルフケアを行うことで、痛みや出血・炎症を抑え、進行を止めることができます。

この状態を「治癒」と言い、歯周病において「治った」ということになります。

歯周病の進行段階を理解する

歯周病は進行する病気です。

「STAGE1(歯肉炎)」→「STAGE2(軽度)」→「STAGE3(中等度)」→「STAGE4(重度・抜歯)」と、段階ごとに症状が悪化してきます。

歯周病の症状は歯肉炎程度では気づくことが難しいです。

それが徐々に歯茎が腫れたり出血したり、口の中がネバネバするという症状が現れ始めます。

そしてやがて歯茎がやせて歯が長くなったり、固いものが噛めなくなったり、歯がグラグラするなど・・・どんどん歯を残すことが難しい状況に進んでいきます。

歯周病は軽度であるほど治療回数も少なく、その爪痕も少なく抑えることができます。

市販の歯周病ケア用品だけでは治らない理由

世の中には、たくさんの歯周病ケア用品が販売されています。

歯磨き粉、塗り薬、漢方薬、洗口液等・・・海外製品も含めるとその数は膨大なものになります。

しかし残念ながら、この市販のケア用品だけで歯周病を治すことは難しいと言えます。

というのも、歯周病はお口の中にいる菌が原因の病気です。

お口の中には数百種類以上、数億個以上の細菌が存在しています。

その中には身体の健康のために必要な善玉菌もいれば、歯周病菌のような悪玉菌もいます。

現在のところ、このたくさんの菌の中からお口の中の悪玉菌だけを殺すお薬などは存在していません。

お薦めは、歯科医院で歯周病の治療をしながら、セルフケアで補助的にケア用品を使用することです。

 

歯を残せるかどうかの見極めポイント

重度歯周病と診断されても、すべてのケースで抜歯が必要になるわけではありません。

歯を残せるかどうかは、いくつかの重要な要素を総合的に評価して判断されます。

歯を支える骨の残存量

最も重要な判断基準は、歯を支える骨(歯槽骨)がどの程度残っているかです。

骨の約3分の2以上が吸収(溶かされている)状態であると、歯が揺れ動く、食事が噛みにくい、歯列が悪くなる、強い口臭がある、歯ブラシを使うと強い痛みを感じるなど・・・生活に影響が出てくるような症状が発現します。

骨がほとんど残っていない状態であったり、予後を考えると抜歯したほうがいいケースもあります。

当院が歯周病において抜歯を選択するのは主に次のケースです。

  • 歯根の先まで完全に骨がなくなっている場合
  • 根分岐部の骨(歯根と歯根の間にある骨)がほぼなくなっている場合
  • 骨が数ミリ残っていたため歯を残したが、歯の揺れがあり、噛むと痛みがある場合

とはいえ、抜歯はあくまでも最終手段と考えてください。

ご自身の歯を残せる可能性があるなら、安易に抜歯を選択すべきではありません。

歯根の形態と状態

歯根が1本のものと2〜4本のものがあります。

重度の歯周炎にかかっている歯の歯根は1本の方が治療が容易で、3本や4本あると治療の難易度が格段に上がります。

歯根が1本の方が残せる可能性が高いのです。

歯槽骨(歯を支える顎の骨)は、骨全体がまんべんなく溶けていると、再生治療(溶けた歯槽骨を再生する治療)が難しくなります。

再生といっても溶けたものを回復できる量は限られているため、骨全体が溶けている場合は焼け石に水であまり意味をなさないのです。

一方、部分的に溶けている場合なら、再生治療が有効に働くため歯を残せる可能性が高まります。

炎症の有無と程度

歯周ポケットの深さは歯周病の進行程度を知る目安にはなりますが、診断においてもっとも重要なのは、「炎症があるかどうか」ということです。

炎症があるかどうかを見極めるうえで分かりやすいのが「出血の有無」です。

たとえば、深さ2mmで出血のある歯周ポケットと、深さ4mmで出血のない歯周ポケットがあったら、歯周病専門医は前者を歯周病、後者は歯周病ではないと判断します。

つまり、歯周ポケットの深さだけでは正しい診断はできないということです。

実際に歯周病で、歯周ポケットの深さが5mmあっても、症状によっては正しいブラッシングと適切な治療で抜歯することなく治せるケースは多々あります。

周囲の歯の健康状態

お口全体で見たときに、健康な歯が残っているか残っていないかも重要です。

重度の歯周炎にかかっている歯の周りに健康な歯があれば、周囲の歯とつなげて連結補強が可能となり、抜かずに残せる可能性が高まります。

このように、中度〜重度の歯周炎の歯を残せるかどうかは、①人、②口、③歯の条件を見て総合的に判断しないといけません。

「手遅れ」のタイミングは、患者さま一人ひとりの条件によって変わるのです。

歯を残すための治療選択肢

重度歯周病でも歯を残すための治療法は複数あります。

症状の進行度や骨の状態に応じて、適切な治療法を選択することが重要です。

歯周基本治療(スケーリング・SRP)

歯周病の原因細菌は歯と歯茎の間にある「歯周ポケット」と呼ばれる溝の中で増殖するので、歯周ポケットの清掃が必要です。

歯周病治療をするときも予防と同じように歯周ポケットの清掃を行います。

歯周病は完全に治療するというより、症状の進行を止めることをメインに治療していきます。

自宅で患者さんが行う歯磨きだけでは歯周ポケットの中まで清掃できません。

そこで歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が行う歯周ポケットの清掃が大切になります。

当院では経験豊富なトレーニングを積んだ歯科衛生士による丁寧な清掃で改善を計ります。

歯周ポケットは通常2ミリほど間隔が空いていますが、加齢とともに深くなっていきます。

歯ブラシの毛先が歯周ポケットの中に入っても1ミリ程度で完全に清掃することはできません。

歯科医院では超音波を使用して歯周ポケット内の汚れや細菌をかき出して清潔に保ちます。

歯周外科治療

基本治療で改善しない場合、外科的に感染源を除去し、清掃しやすい環境を作る治療が検討されます。

歯周ポケット掻爬術やフラップ手術(歯肉剥離掻爬術)など、歯茎を開いて直接歯根の表面を清掃し、炎症組織を除去する方法です。

これにより、基本治療では届かなかった深い部分の歯石や細菌を徹底的に除去することができます。

歯周組織再生療法

歯周病で失われた骨や組織を、もう一度再生させることを目指す治療法です。

従来は「一度失った歯槽骨は戻らない」と言われていましたが、最近では「リグロス」や「エムドゲイン」という再生薬剤の登場により、再生治療が可能になりました。

この治療によって、「抜くしかないかも・・・」と言われた歯をもう一度、残すチャンスが生まれるのです。

**リグロス(保険適用)**は、FGF-2(塩基性線維芽細胞増殖因子)を主成分とする歯周組織再生材です。

大阪大学を中心とした日本の研究チームによって開発され、2016年に世界初の保険収載された再生療法材となりました。

**エムドゲイン(自費診療)**は、スイスのメーカーStraumann社が開発した再生材料で、歯周病によって溶けた(下がった)骨や歯ぐきを再生する治療法です。

下がった骨の場所にゲルを塗布し縫合します。

リグロスを適切に使用した場合の成功率は70〜90%程度とされ、ポケットの浅化(3mm以内)、骨の水平的再生、歯の動揺度の改善といった治療効果が期待できます。

ただし、根分岐部や重度の垂直性欠損には効果が限定的なこともあります。

骨造成(GBR・ソケットリフト・サイナスリフト)

骨量が不足するケースには、GBR、ソケットリフト、サイナスリフト等の骨造成で対応します。

歯周病で歯を支える骨(歯槽骨)が著しく下がった場合など、骨補填材をあてがい縫合し数ヶ月待つことで骨の再生を促す治療法です。

難症例でも治療可能性を広げます。

 

治療を成功させるために必要なこと

どんなに優れた治療法でも、患者さん自身の協力がなければ成功しません。

歯周病治療を成功させるためには、いくつかの重要な要素があります。

正しいブラッシングの習得

歯周病というのは、歯科医院の治療だけで治すのは困難であり、日々、正しいブラッシングで細菌を除去できていることが大前提になります。

みなさん「毎日、ちゃんとブラッシングをしている」とおっしゃいますが、実際にプラークをきちんと除去できている人は多くはありません。

ブラッシングを「している」と「できている」は別問題であり、「しているけどできていない」方が大半です。

ブラッシングの目的は、プラークを除去することです。

1日3回、時間をかけて歯を磨いていても、プラークの取り残しが多ければ口腔内の細菌が減らないので、歯周病の治りも悪くなってしまいます。

定期的なメンテナンスの継続

治療が終わった後も、3〜4か月ごとの定期メンテナンスが不可欠です。

定期メンテナンスでは、歯周病の再発を予防し、咬合の調整・クリーニングまで含めて長期的な安心を提供します。

歯周病は再発しやすい病気なので、定期的なプロフェッショナルケアが歯を守る鍵となります。

生活習慣の改善

喫煙や糖尿病などは歯周病の治療成功率を下げる要因となります。

全身状態や生活習慣によって、再生がうまくいかないリスクもあるため、治療前の評価と患者さんの協力が欠かせません。

糖尿病と歯周病は相互関係があることが明らかになってきており、糖尿病を罹患している患者さんは歯周病を発症していると糖尿病が治りにくい、逆に糖尿病を罹患していると歯周病を発症しやすいと言われています。

早期発見・早期治療の重要性

歯周病は軽度であるほど治療回数も少なく、その爪痕も少なく抑えることができます。

歯が長く見えるというのは、正確には歯ぐきが減って、これまでより歯の多くの部分が見えていることが原因なのです。

歯ぐきがブヨブヨしたりパンパンに腫れる、歯ぐきが下がって歯が伸びてきた、硬いものが食べづらい、歯がグラグラと揺れる、歯ぐきから膿が出る、口臭がきついなどの症状が出たら、早めに歯科医院を受診することが大切です。

セカンドオピニオンの重要性

「歯周病は治らない」という言い方をされたのでしたら、ぜひセカンドオピニオンを受けてください。

歯周病は治る病気であるにもかかわらず、ドクター自身が「治らない」と言っているのであれば、当然、そのドクターに歯周病を治せる可能性はありません。

セカンドオピニオンで確認すべきこと

セカンドオピニオンでは、「他院で抜歯を勧められたが、抜いてしまう前に本当に残せない歯なのか?」ということをしっかり確認すべきです。

現在の状況についての説明を受け、今後の治療方針や治療計画を確認しましょう。

不安や疑問があったら、納得できるまで質問してください。

歯周病治療に注力している医院の見分け方

歯周病治療・再生療法に注力している医院を選ぶことが重要です。

精密な診査・診断(歯周ポケット測定、レントゲン、CT)を行っているか、治療計画、期間、費用について十分な説明があるかを確認しましょう。

歯科用CTで骨量・神経走行を立体的に把握し、デジタルシミュレーションで治療計画を事前設計している医院は、安全性と正確性を高めています。

いまいずみ歯科の歯周病治療へのこだわり

当院では、「削らない・抜かない」治療を心がけ、天然歯の保存を最優先にしています。

丁寧なカウンセリングと分かりやすい説明を重視し、治療内容・期間・費用を事前にしっかり共有し、患者さんの納得を得てから治療を開始します。

精密診断による正確な状態把握

歯科用CTで骨量・神経走行を立体的に把握し、デジタルシミュレーションで治療計画を事前設計します。

歯周ポケットの深さだけでなく、炎症の有無、出血の状態、骨の残存量など・・・多角的に評価することで、本当に歯を残せるかどうかを正確に判断します。

経験豊富な歯科衛生士による専門的ケア

当院では経験豊富なトレーニングを積んだ歯科衛生士による丁寧な清掃で改善を計ります。

歯周ポケット内の汚れや細菌を超音波を使用してかき出し、清潔に保つことで、歯周病の進行を止めることができます。

再生療法への対応

骨量が不足するケースには、GBR、ソケットリフト、サイナスリフト等の骨造成で対応します。

世界的に信頼されるストローマン社製のインプラント素材を採用し、生体親和性・長期安定性を確保しています。

難症例でも治療可能性を広げ、患者さんの歯を残すための選択肢を提供します。

術後管理まで一貫したサポート

3〜4か月ごとの定期メンテナンスで、歯周病の再発を予防します。

咬合の調整・クリーニングまで含め、治療後も安心して通院していただける環境を整えています。

治療して終わりではなく、予防・メンテナンスまで一貫してサポートします。

まとめ〜諦める前に、まずはご相談ください

重度歯周病と診断されても、歯を残せる可能性はあります。

歯を支える骨の残存量、歯根の形態、炎症の程度、周囲の歯の健康状態など・・・複数の要素を総合的に評価することで、保存治療が可能かどうかを判断できます。

「歯周病は治らない」と言われても、それは「完全に元に戻らない」という意味であり、「進行を止められない」という意味ではありません。

適切な治療とセルフケアを行うことで、痛みや出血・炎症を抑え、進行を止めることができます。

抜歯はあくまでも最終手段です。

ご自身の歯を残せる可能性があるなら、安易に抜歯を選択すべきではありません。

「どこに相談すればいいか分からない」――そんな時こそ、当院へ。

丁寧なカウンセリングで、不安の解消からお手伝いします。

佐野市内限定で無料送迎サービス(事前予約制)も実施しており、通院が難しい方もサポートいたします。

お電話またはWEBのお問い合わせフォームから24時間受付可能です。

**生涯ご自身の歯で食べる喜びを守るために、まずは一度ご相談ください。**

 

著者情報

いまいずみ歯科 院長

今泉 朋久(いまいずみ ともひさ

 

【経歴】

館林市出身

日本大学松戸歯学部卒業