インプラント治療後のメンテナンス費用はいくら？相場と長く使うためのポイント
インプラント治療後のメンテナンスが必要な理由
インプラント治療が完了したら、それで終わりではありません。
むしろ、治療後のメンテナンスこそが、インプラントを長く快適に使い続けるための重要なステップなのです。天然の歯と異なり、インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込んでいるため、目に見えない部分で不具合が発生する可能性があります。痛みなどの自覚症状が出にくいという特性もあり、定期的なチェックが欠かせません。
特に注意が必要なのが「インプラント周囲炎」です。これは歯周病と同じように、インプラント周辺の組織に炎症が起こる病気で、放置すると顎の骨が溶けてしまったり、最悪の場合はインプラントが脱落してしまうこともあります。インプラントは歯茎への血液供給量が天然歯よりも少ないため、歯周病にかかりやすいリスクがあるのです。
早期発見が非常に重要です。初期の炎症では痛みを感じにくいため、歯科医師による定期的なチェックがなければ、気づいたときには症状が進行してしまっている可能性があります。だからこそ、定期メンテナンスに通い続けることが、インプラントを守るために必要不可欠なのです。
インプラントのメンテナンス費用の相場
インプラント治療自体が保険適用外のため、その後の定期メンテナンスも自費診療となります。
一般的な定期検診よりも費用は高くなってしまいますが、インプラントを長持ちさせるための必要な投資と考えるべきでしょう。メンテナンス費用の相場は、歯科医院によって異なりますが、1回あたり**3,000円~10,000円程度**が目安です。この費用には、口腔内のチェック、レントゲン検査、クリーニング、ブラッシング指導などが含まれます。
メンテナンス内容と費用の内訳
メンテナンスで行う処置は、そのときのインプラントの状態によって変わってきます。基本的な内容としては、以下のようなものがあります。
- 口腔内の確認・・・歯茎の腫れや出血、痛みの有無をチェック（1,000円~3,000円程度）
- レントゲン検査・・・骨の状態やインプラントと骨の結合具合を確認（1,000円~3,000円程度）
- クリーニング（PMTC）・・・専用器具でプラークやバイオフィルムを除去（2,000円~5,000円程度）
- ブラッシング指導・・・適切な歯ブラシの選び方や磨き方を指導（1,000円~3,000円程度）
同じ歯科医院でも、患者さんによって必要な処置が異なるため、価格はそれぞれになります。炎症が見受けられた場合などは、追加の処置が必要になることもあります。
メンテナンスの頻度
通院の頻度は、歯科医院によって考え方が異なりますが、一般的には**3ヶ月~6ヶ月に一度**が目安です。
ただし、これはインプラントに特に問題がない場合の頻度です。治療完了後の1年間は、経過観察のために少し頻度が高くなることもあります。逆に、1年後以降で問題が見受けられなければ、年に1~2回程度に間隔が開くこともあります。定期メンテナンスに行かずに知らないうちに不具合が発生し、再手術や大きな処置が必要になってしまうほうが、費用は大きくなってしまいます。
メンテナンス費用は医療費控除の対象になる
もし治療完了後のメンテナンスで経過が良好でなく、高い頻度での通院が必要になった場合、費用が嵩んでしまうこともあります。
そんなときに活用できるのが「医療費控除」の制度です。医療費控除とは、1月1日から12月31日の間に支払った医療費（保険適用外も含む）が10万円を超えた場合に、支払った所得税の一部が戻ってくる制度です。年収が200万円未満の場合は、年収の5%を超えた場合に適用されます。
控除の対象となるのは治療費だけではありません。通院に使った交通費や薬代なども含まれます。ただし、医療費控除の制度を利用するときは、企業にお勤めの方でもご自身で税務署に確定申告をする必要がありますので、領収書はしっかりと保管しておきましょう。翌年度に支払う予定の住民税も減税されるため、長期的に見ると大きなメリットがあります。
インプラントを長持ちさせるためのポイント
インプラントの平均的な寿命は10年~15年とされていますが、適切なメンテナンスを続けることで、20年以上、場合によっては40年以上使い続けることも可能です。
入れ歯は約5年、ブリッジでも8年程度しか持たないことを考えると、インプラントは他の治療法と比べて長く使用できるというメリットがあります。しかし、それは日々のケアとメンテナンスがあってこそです。インプラントを長持ちさせるために、以下のポイントを押さえておきましょう。
定期的な歯科医院でのメンテナンスを受ける
インプラント治療は「インプラントを埋入してそこで終わり」というわけではありません。
埋入したインプラントをよい状態に維持し続けるためには、歯科医院での定期的なメンテナンスは欠かせません。当院では、3~4か月に一度のペースでメンテナンスにお越しいただくことをお勧めしています。インプラントは虫歯になることはありませんが、歯周病（インプラント周囲炎）にはかかります。メンテナンスを継続的に行うことは、残っている歯を守ることにもつながってくるでしょう。
徹底したプラークコントロールを心掛ける
インプラントは虫歯になることはありませんが、プラーク（歯垢）が溜まると歯周病のリスクが高まります。
毎日の丁寧なブラッシングが基本ですが、インプラントには専用のブラッシング法が必要です。歯科衛生士によるブラッシング指導では、適切な歯ブラシの選び方や力加減、フロス・歯間ブラシの使い方も丁寧に教えてもらえます。自分では取りきれない汚れは、歯科医院でのクリーニングで除去してもらいましょう。
たばこは控える
たばこに含まれるニコチンを摂取すると、血行が悪くなり、免疫力も低下します。
歯ぐきの炎症が起こりやすくなるため、たばこを吸わない方と比べて、インプラント周囲炎になる確率が高くなります。インプラントを長持ちさせたいのであれば、禁煙を強くお勧めします。
歯ぎしりや食いしばりには気をつける
歯ぎしりは体重の倍以上の大きな力が特定の場所にかかります。
歯ぎしりや食いしばりを日常的に行っていると、インプラントに負担がかかり破損してしまうこともあります。噛み合わせに異常がないか、歯科医院で定期的にチェックしてもらうと安心です。就寝中の歯ぎしりが気になる方は、マウスピースの使用も検討しましょう。
いまいずみ歯科のインプラント治療とメンテナンス
佐野市のいまいずみ歯科では、失った歯を自然な見た目と噛み心地で取り戻すインプラント治療を行っています。
地域のかかりつけ歯科として、お子さまからご高齢の方まで安心して通える環境で、丁寧な説明と痛みに配慮したやさしい治療を大切にしています。インプラント治療においても、安全性を重視した精密診断から、治療後のメンテナンスまで、一貫してサポートしています。
精密診断と徹底した治療計画
当院では、歯科用CTで骨量・神経走行を立体的に把握し、デジタルシミュレーションで埋入位置・角度・深度を事前設計しています。
安全性と正確性を高めるために、サージカルガイドを使用し、計画通りの位置に正確にインプラントを埋入します。神経・血管リスクの低減と低侵襲を両立し、患者さんの負担を最小限に抑えています。
世界的に信頼される素材を使用
当院では、世界的に信頼されているストローマン社製インプラントを採用しています。
高い品質と生体親和性で、長く安定した噛み心地を保つことができます。適切なケアで10年以上の機能が期待できる長期安定性があり、患者さんに安心して使っていただけるインプラントを提供しています。
治療後も安心のメンテナンス体制
当院では、治療後も3~4か月ごとの定期メンテナンスで、インプラント周囲炎を予防しています。
咬合の調整・クリーニングまで含めて、長期的な安心を提供しています。インプラントは「入れて終わり」ではありません。治療後のケアまで丁寧にサポートし、患者さんがインプラントを長く健康に使っていただけるよう、ご一緒に取り組んでいきます。
佐野市内限定で無料送迎サービス（事前予約制）も実施しており、通院が難しい方も安心して治療を受けていただけます。訪問歯科は水曜のみ対応していますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
インプラント治療後のメンテナンスは、インプラントを長く快適に使い続けるために欠かせません。
メンテナンス費用の相場は1回あたり3,000円~10,000円程度で、3ヶ月~6ヶ月に一度の頻度で通院するのが一般的です。費用が嵩んだ場合は医療費控除の対象となるため、領収書をしっかりと保管しておきましょう。インプラントを長持ちさせるためには、定期的な歯科医院でのメンテナンス、徹底したプラークコントロール、禁煙、歯ぎしり対策などが重要です。
いまいずみ歯科では、精密診断から治療後のメンテナンスまで、一貫してサポートしています。「削らない・抜かない」治療を心がけ、生涯ご自身の歯で食べる喜びを守ります。インプラント治療をご検討の方、すでにインプラントを入れている方も、どうぞお気軽にご相談ください。丁寧なカウンセリングで、不安の解消からお手伝いします。
お電話またはWEBのお問い合わせフォームから24時間受付しています。佐野市の皆さまが「自分の歯で食べる幸せ」を取り戻せるよう、心を込めてサポートいたします。
著者情報
いまいずみ歯科 院長
今泉 朋久（いまいずみ ともひさ）
【経歴】
館林市出身
日本大学松戸歯学部卒業
